アザについて

皮膚の一部が変色して、周囲と異なる色・状態になっていることを、一般的に「アザ」と呼びます。基本的には生まれつきのものだったり、生後すぐに生じたりしますが、思春期以降に徐々に現れるあざも存在します。

ほとんどのアザは生命を脅かすものばかりではないため、特段の治療が必要になることはありません。しかし、生じている場所や大きさによっては目立つこともあり、アザがコンプレックスになっている方も少なくありません。皮膚科ではアザの治療も行っており、様々な方法でアザを目立たなくさせることもできます。

神戸市中央区・三宮のふくや皮フ科クリニックでも複数のアザ治療に対応していますので、アザが気になる方はお気軽にご相談ください。

勘違いされやすい“アザ”

皮膚が周囲と異なる色をしている状態をアザと言いますが、該当する皮膚状態が複数あるため、混同されやすいのも特徴です。たとえば、体を強打した際に生じる皮膚の変色（のようにみえる状態）を「アザ」「青アザ」と呼んだりしますが、これは「出血斑（打ち身、内出血）」であり、皮膚科的にはアザとは扱いません。

また、シミも皮膚が変色している状態ですが、主に紫外線の影響などで後天的に生じるものですので、これも本来はアザとは異なります（遺伝的な要因で生じるシミもあります）。

アザの種類

アザはその色によって以下の4種類に大別されます。

茶アザ（扁平母斑）

日焼けした皮膚のような茶色のアザのことを「茶アザ」と呼びます。正式には「扁平母斑（へんぺいぼはん）」と言いますが、その色調から「カフェオレ斑」とも呼ばれます。1cmほどの小さなものから肩全体に広がるものまで、アザの大きさは様々です。

生まれつきのものであることが多いですが、紫外線や怪我などが原因となり、後天的に発症することもあります茶アザの原因としては、表皮の最下層（基底層）でメラニン色素（黒い色素）を産生するメラノサイトの機能異常が考えられます。

青アザ

青アザは青くくすんだ色をしたアザのことで、真皮にメラノサイトが存在したり、青色母斑細胞が増えたりすることで生じます。青アザにもいくつかの種類があり、生じる部位や色で名称が変わります。代表的なものとしては、目の周りや額に生じる「太田母斑」、後天性真皮メラノサイトーシス（ADM）、新生児の腰からお尻にかけて生じる「蒙古斑」、腰からお尻以外に生じる「異所性蒙古斑」などが挙げられます。

腰からお尻にある蒙古斑は成長とともに自然消滅しますが、他の青アザは消えないため治療が必要となります。基本的に小児のうちに治療する方が少ない回数でアザを消すことができます。ただし、アザ治療として一般的なレーザー治療は痛みを伴ううえ、思春期に再び色味の変化が起こる可能性があります。青アザの治療の時期は、医師とよく相談したうえで決定すると良いでしょう。

黒アザ（色素性母斑・母斑細胞母斑）

黒アザは黒色、あるいは黒褐色のアザで、「色素性母斑」あるいは「母斑細胞母斑」と言います。メラノサイトの異常細胞が表皮内や真皮内に集まってでき、その形状・大きさは様々です。大きさによって黒子・通常型・巨大型の3つに分類することができ、このうち通常型・巨大型が黒アザと呼ばれることがあります（黒子はいわゆるホクロのこと）。

表面の質感が通常の肌とは異なり、隆起していたり、表面に硬い毛が生えていたりすることがあります。

赤アザ（血管腫）

血液内の赤血球によって赤く見えるアザが赤アザで、正式には「血管腫」と呼びます。血管の異常増殖や奇形によってできるアザで、様々な種類があります。

代表的なのは、生まれつき存在する平坦な赤アザ（単純性血管腫）と、出生後に生じて1歳ごろまでに大きくなる赤アザ（イチゴ状血管腫）の2つです。単純性血管腫は自然消滅せず、成長とともに濃くなったり、腫瘤を作ったりすることがあります。イチゴ状血管腫は年齢が上がると自然消滅することもありますが、消えてもたるみやシワが残ることがあります。

アザの治療

アザの治療法としてよく用いられるのはレーザー治療で、レーザーによって皮膚内のメラノサイトを破壊することでアザを目立たなくさせます。ただし、アザによって有効なレーザーは異なります。レーザー以外にも液体窒素圧抵（茶アザに有効）や、切除（黒アザに有効）などの方法もあるので、アザの状態によって適切な方法を選択します。

アザの種類によっては保険適用内で治療できる場合もあります。お悩みの方はお気軽にご相談ください。

フォトフェイシャル

「IPL(Intense Pulsed Light)」という特殊な光を照射します。治療目的や肌の状態に合わせて波長を変換できるため、アザの治療以外にも、シミや赤ら顔、小じわ、毛穴の開きの治療も行うことができます。

アザの種類によって適切なレーザーの機械が異なるため、必要に応じて、他の医療機関にご紹介させていただきます。