ケロイドについて

ケロイドと肥厚性瘢痕はは外傷や炎症が起きた後に、その箇所が赤く盛り上がった状態のことを指します。肥厚性瘢痕はもとの傷の範囲を越えないもの、ケロイドはもとの傷よりも範囲が広がったものですが、厳密に区別できないこともあります。ケロイドは炎症が長引き治りにくいのに対し、肥厚性瘢痕は治療などにより軽快しやすいという特徴があります。

ケロイドが起こる原因

皮膚が受けた傷や炎症によって、傷が治る段階で皮下組織や血管の成分が過剰に増殖することで赤く盛り上がります。ニキビ、やけど、ピアス、手術の痕などで生じることがあります。

基本的には治癒の一過程なのですが、「ケロイド体質」という遺伝的な要因が原因で起こりやすくなるとされています。とくに女性は妊娠中に悪化しやすい傾向にあるため注意が必要です。

ケロイドの症状

ケロイドの診断

ケロイドで特徴的なのは皮膚症状ですので、まずは視診によって患部の観察を行い、怪我の治りや病歴（ご家族のものも含む）から総合的に判断します。悪性腫瘍でないことを確認するために、皮膚組織の採取を行うこともあります。

ケロイドの治療

ケロイドの治療では、主にステロイドの外用薬テープ剤を使用します。
そのほかにもステロイド局所注射、凍結療法や放射線療法、シリコンジェルシートによる圧迫・固定療法、形成外科的な手術による切除と皮弁形成術など様々な治療法がありますので、症状や体質に応じて治療法を選択します。

ケロイドは治りにくく再発しやすいため、場合によっては専門の医療機関へのご紹介を行うこともあります。ケロイドでお悩みの方は神戸市中央区・三宮にあるふくや皮フ科クリニックへお気軽にご相談ください。

ケロイドの予防

ケロイドができやすい体質の方は、外傷・やけどを負った際や炎症を起こした際には早めの治療を心がけるようにしましょう。適切な処置によってケロイドや肥厚性瘢痕の発症をある程度防ぐことができます。

怪我をしないような生活を心がけることも重要です。予期しない外傷への対処は難しいですが、たとえばピアスを控える、規則正しい生活を送って炎症を悪化させないなどの対処は効果的です。